2017年9月28日木曜日

準拠枠とは?産業カウンセラーのために分かりやすくまとめ

こんにちは!ズマペンです。
今日は久々に産業カウンセラー系のブログを書きます。
テーマは「準拠枠」皆さんは聞いたことありますか?自分は産業カウンセラーを勉強して初めて知った単語でした。

準拠枠とは?

人が物事を判断、認識するのに使っている基準というような意味です。人は個人が生まれ持っている特性とこれまでの経験をとおして、感じたり考えたりしています。
さらに言い換えれば、自分のみの特性と経験という「色眼鏡」を使って、見たり聞いたりしているということです。

※専門的な解説も載せておきます。
実験社会心理学者 M.シェリフが提唱し、社会学者 T.M.ニューカムが発展させた。われわれの認識や判断は、対象自体を直接認知評価するのではなく、基準となる手掛り、あるいは枠組みとなる他の諸要因などと関連してなされている。それは過去の経験や対象のおかれ方によって形成される。事物・事象の知覚から推理などの思考過程をはじめ、態度の是非・善悪に関する判断においては、判断者の属する社会や集団の規範あるいは役割体系が準拠枠になることが多い。

準拠枠の類義語・似ている言葉一覧

似ている言葉では「価値観」が最も近いのではと思います。
ただし、価値観はゆるがない信念のようなもので、準拠枠は、あくまで物事を判断する時のフィルター(色眼鏡)のようなイメージです。
他には、社会学・心理学用語で「関係系」「照準枠」ともいうそうです。
これはちょっとイメージしずらい・・・


準拠枠の例題

例えば、「アップル」という言葉を聞いたときに何をイメージしますか?
果物のリンゴをイメージする人もいると思いますし、スマートフォンで有名なApple社を思い浮かべる人も多いのではないかと思います。

準拠枠のイメージ図


産業カウンセラーで学ぶ、カウンセリングと準拠枠の関係

↑の例題のように、人は全ての物事を認識・判断するのに、実はありのままを受け容れていることは少なく、それぞれ個人の価値観・経験(=準拠枠)というフィルターを通してみているようです。

カウンセリングで傾聴していくときは、この準拠枠がクライエントにも自分自身にもあることを注意しておく必要があります。準拠枠は、日常生活では無意識レベルで使っているため、意図せず自分の考えや価値観を相手に押し付けてしまい、話したことをありのままに受け取れていないことがあります。

例えば、クライエントが「夜も眠れないほど不安があった」と言ってきたとしても、カウンセラーの経験によって判断してしまうと、クライエントの想いや感情と差が出てしまいます。そうするとコミュニケーションで違いが生まれ、関係が悪くなってしまいます。

そうならないように、まず大切なことは、自分は準拠枠をもって物事をみている、判断していることを認知・意識すること。そこから、クライエントに寄り添い傾聴して、あくまでクライエントが主体だということを忘れずに聴けたら、自分と相手の準拠枠を理解して、上手なコミュニケーションが取れ、信頼関係が構築できるのではないでしょうか。


上司、部下に話が通じないな・・・
旦那さん、奥さん、お子さんに気持ちが伝わらないな・・・
と感じていたら、お互いの「準拠枠」のせいかもしれません。
皆さんもぜひ「準拠枠」意識してみてください!





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